2023.08.30 2023.09.03

TED要約:刑務所での生命科学

marugotoyoten

アメリカの生態学者であるナリニ・ナドカルニが「刑務所での生命科学」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

ナリニ・ナドカルニ

専門分野:コスタリカの熱帯雨林の樹冠研究
経歴:山岳登山用具を使って1981年に樹冠の調査を開始し、1984年に2回の調査を行った。

３つの要点

要点１
木は静止しているように見えるかもしれませんが、よく見るとその動的な性質が現れます。
要点２
木々の動きを計算により定量化することで、木々は非常にダイナミックな存在であることが示されます。
要点３
木のダイナミックな性質から刑務所のような静的な機関に教訓を応用することで、動きと変化を促すことができます。

要約

木のダイナミックな性質
木は静止しているように見えるかもしれませんが、よく見るとその動的な性質が現れます。枝に絵筆を取り付け、風がキャンバスに芸術を創り出すことで、異なる木の種類が独自の芸術的な特徴を持つことを発見しました。しかし、木々の動きにも魅了され、それを定量化しようとしました。計算により、1本のビンメイプルの木が1年間に驚異的な186,540マイルも移動することがわかりました。この視点の転換により、木々は単なる静的な存在ではなく、非常にダイナミックな存在であることが示されます。

木から刑務所への教訓の応用
木のダイナミックな性質からインスピレーションを得て、刑務所のような静的な機関にこの教訓を応用することを考えました。アメリカでは刑務所の人口が増加し、再犯率が高い状況です。これに対処するため、2007年にワシントン州刑務所局とのパートナーシップを開始しました。科学、持続可能性、保護活動を受刑者に導入することで、刑務所システム内での動きと変化を促しました。男性たちは他の活動よりも科学の講義を選び、絶滅危惧種の植物やカエルを育て、スーパーマックス施設の荒涼とした運動場に自然のイメージを持ち込みました。

停滞の中の動き
刑務所システムに動きと変化をもたらすための取り組みの中で、わずかな集団的な動きが希望をもたらしています。受刑者に意義のある活動や自然とのつながりの機会を提供することで、暴力を減らし、静けさを促進することを目指しています。孤立独房などの最も制約のある環境でも、壁に自然のイメージを持ち込むことを努めています。孤立独房に18ヶ月間収監されているロペス氏のような受刑者は、自分たちや仲間の受刑者に静けさと安らぎをもたらすイメージの種類について意見を提供しています。

自分自身の変化の可能性
木や受刑者が動きと変化を経験できるように、私たちは自らの中にある静的な存在も変革を求める必要があります。悲しみ、中毒、人種差別などは変えることができる存在の例です。木のダイナミックな性質や刑務所システム内での動きのポジティブな影響を認識することにより、私たちは変化が可能であることを思い起こされます。集団の努力と視点の転換を通じて、希望と変革に満ちた未来に向かって進むことができます。

▼今回の動画