2023.09.29

TEDx要約:運動はどれくらいが適度？

marugotoyoten

南アフリカの科学者で、ケープタウン大学の運動科学・スポーツ医学部の名誉教授ですであるティモシー・デイビッド・ノークスが「運動はどれくらいが適度？」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

ティモシー・デイビッド・ノークス

専門分野:スポーツ科学
経歴:70以上のマラソンとウルトラマラソンを走り、運動と食事に関する数冊の著書を執筆しています。彼はスポーツ科学の研究と低炭水化物・高脂肪（LCHF、バンティング）ダイエットの支持で知られています。

３つの要点

要点１
マラソンランナーは心臓病に免疫があると信じられていたが、実際には心臓発作や冠動脈疾患に苦しむことがあることが証明された。
要点２
運動中により多くの水分摂取することが有益であるという信念は問われることとなり、低ナトリウム血症という危険な状態を引き起こすことがわかった。
要点３
運動における疲労は実際には脳が体を守るために作り出す感情であり、脳が筋肉のパフォーマンスを調節することが示された。

要約

マラソンランナーと心臓病
マラソンランナーは心臓病に免疫があると信じられていたことを知っていますか？1970年代には、長距離走をすることで健康な心臓が保証されるという理論がありました。しかし、証拠が示したように、ランナーでも心臓発作や冠動脈疾患に苦しむことがあることが証明され、この理論は間違っていることがわかりました。この発見は、マラソンランニングが健康な心臓を保証するという信念を否定するもので、NewEnglandJournalofMedicineに掲載されました。

水分補給と運動
1980年代には、運動中により多くの水分摂取することが有益であるという信念がありました。しかし、過剰な飲み物摂取が危険な状態である低ナトリウム血症という症状を引き起こすという事例が発見されたことで、この信念は問われることとなりました。低ナトリウム血症は命に関わる可能性があり、体内の電解質のバランスの乱れによって引き起こされます。証拠とガイドラインを発表しても、スポーツドリンク業界は過剰な飲み物摂取を提唱し続けました。これにより低ナトリウム血症の症例が増加し、不必要な死亡が引き起こされました。最終的には、飲み物の摂取に関する代替のガイドラインが受け入れられ、喉の渇きに応じた摂取の重要性が強調されるようになりました。

運動パフォーマンスにおける脳の役割
運動中になぜ疲れるのか、気になったことはありますか？かつては、運動における疲労は筋肉が乳酸を生成することによって引き起こされると信じられていました。しかし、最近の研究では、疲労は実際には脳が体を守るために作り出す感情であることが示されています。この発見は、脳が筋肉のパフォーマンスを調節し、動機などの要素を考慮に入れるというCentralGovernorModelofExerciseの提案につながりました。オリンピック選手は今やこのモデルに基づいてトレーニングを行い、脳のパフォーマンスへの影響を認識しています。

低脂肪ダイエットの否定
1977年、アメリカの上院は、根拠のない証拠に基づいて低脂肪ダイエットを推奨しました。しかし、研究は、脂肪摂取量が高い人々の方が心臓病の発症率が低いことを示しています。複数の研究結果を組み合わせたメタアナリシスでも、食事中の脂肪と心臓病の関連性を示す証拠は見つかっていません。代わりに、現代の食事での炭水化物と加工食品の消費量の増加が健康問題の主要な要因とされています。私たちの食事についての情報を疑問視し、エビデンスに基づいた実践を追求することが重要です。

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