2023.08.25

TED要約:砂丘を建築物に変える

marugotoyoten

スウェーデン出身の元プロテニスプレーヤーであるペル・ヘンリック・マグヌス・ラーソンが「砂丘を建築物に変える」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

ペル・ヘンリック・マグヌス・ラーソン

専門分野:テニス
経歴:スウェーデン出身の元プロテニスプレーヤー

３つの要点

要点１
砂漠化は世界的な脅威であり、気候変動や食料システムの崩壊など多くの問題を引き起こしている。
要点２
砂漠化対策として、砂岩の壁を建設することで砂漠内の居住可能な空間を創造することができる。
要点３
バクテリアを使用した砂丘の固化は手頃な解決策であり、砂漠化対策に有効である。

要約

砂漠化の脅威と建築的対応の必要性
砂漠化は、110以上の国と世界の農業乾燥地の70％に影響を与える重大な脅威です。特にアフリカと中国では、数百万人に深刻なリスクをもたらしています。砂漠化の結果として、気候変動、干ばつ、食料システムの崩壊、水不足、飢饉、強制移住、政治不安定、戦争などがあります。しかし、その進行はゆっくりとしているため、メディアではしばしば見過ごされています。この脅威に対処するために、私は砂漠を横切るバクテリアと固化した砂で作られた砂岩の壁の建設を提案します。この建築的対応は、砂漠化と砂丘内の居住可能な空間の創造を目指しています。

グレート・グリーン・ウォール・サハラと植樹の課題
グレート・グリーン・ウォール・サハラプロジェクトは、23のアフリカ諸国によって始められ、アフリカ大陸全体に木の遮蔽帯を作ることを目指しています。しかし、植樹における課題の一つは、これらの地域の人々の貧困であり、彼らが薪のために木を切り倒すことにつながっています。これを克服するために、私は代替案を提案します。砂丘の表面に粗さを与え、木を支え、砂丘内に居住可能な空間を作る砂岩の壁です。緑のバリアの内部に住むことで、人々は木を保護し、砂漠の緑化に貢献することができます。

バクテリアを用いた砂丘の固化
砂丘を固めるために、私は湿地や沼地に生息する微生物であるバシラス・パスチュリーを使用することを提案します。この微生物は砂粒の間の隙間を埋め、砂粒を結びつける天然のセメントであるカルサイトを生成します。セメント化のプロセスには約24時間かかります。バクテリアを使用して1立方メートルの砂を固めるコストは約11ドルと推定されており、手頃な解決策です。2つの建設オプションが提案されています：バクテリアで満たされたバルーン構造を使用するか、バクテリア表面を作るために注入パイルを使用するかです。これらの方法により、砂丘内に居住可能な空間を作ることができます。

建築形態と未来へのビジョン
砂岩構造物の建築形態は、ソコトで見られる洞窟状の岩の構造であるタフォニに触発されています。これらの構造物を拡大することで、換気や熱的な快適性に優れた空間品質を提供します。バクテリアが作業を行う間に構造物に対する形式的な制御は自然に失われるかもしれませんが、これにより無限の美しさが生まれます。バクテリアは無制限に広がることはなく、餌を与えられなくなると死滅します。提案されている砂漠自体で作られた砂を止める装置は、砂漠化と人々や国々をつなげることを目指しています。この居住可能な壁を建設することで、木をサポートするだけでなく、砂漠化に対処するための緊急の必要性についての議論を開始することができます。

▼今回の動画