2023.08.25 2023.09.02

TED要約:がんを検出するために細菌を使用できる（そして治療するかもしれない）

marugotoyoten

合成生物学者であるタルダニノが「がんを検出するために細菌を使用できる（そして治療するかもしれない）」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

タルダニノ

専門分野:バイオメディカルエンジニアリング
経歴:コロンビア大学のバイオメディカルエンジニアリングの准教授で、タルダニノは合成生物学者です。

３つの要点

要点１
プログラミングバクテリアの力を活用することが重要である。
要点２
クオラムセンシングによる同期がバクテリアプログラミングの基盤である。
要点３
バクテリアプログラミングは癌の検出と治療に革新的な可能性をもたらす。

要約

プログラミングバクテリアの力
私たちの体内には、星よりも多くのバクテリアが存在することを発見しました。これらのバクテリアは私たちの健康に重要な役割を果たしています。そして、今ではそれらをコンピュータのようにプログラムすることができます。私は最初のバクテリアプログラムの設計図を開発しました。これにより、バクテリアの内部に異なるアルゴリズムやプログラムを書き込むことができます。このプログラムは蛍光タンパク質を生成し、バクテリアがコミュニケーションや同期を行うための分子を生成します。

クオラムセンシングと同期
私たちの遺伝子プログラムは、バクテリアが臨界密度に達した時に行動を調整する自然現象であるクオラムセンシングに依存しています。私たちはこれを実際に観察しました。成長するバクテリアの集団は、高い密度に達した時点で初めて輝き始めます。集団が成長するにつれて、私たちの遺伝子プログラムは蛍光タンパク質のリズミカルなパターンを継続的に生成します。また、大きな集団内のバクテリア間には、同期分子が移動する速度の制限により、移動する波が観察されます。

癌の検出と治療のためのバクテリアプログラミング
バクテリアは自然に腫瘍内で成長する能力を持っており、癌などの病気の検出と治療の理想的な対象となります。私たちは安全で有益なプロバイオティックバクテリアを使用し、肝臓の腫瘍内で選択的に成長させました。これらのバクテリアに尿中で検出可能な信号を生成するようにプログラムすることで、癌の存在を示すことができます。私たちはこの技術が肝臓癌を感度良くかつ特異的に検出できることを成功裏に実証しました。これは他の方法では難しい発見です。

癌研究の未来
バクテリアをプログラムする能力により、癌研究において新たな可能性が広がります。私たちは癌を検出するだけでなく、バクテリアをプログラムして腫瘍環境内で治療分子を生成することもできます。クオラムセンシングプログラムを使用することで、既存の腫瘍を縮小することができます。バクテリアをプログラムして癌や他の病気を検出し治療する未来を想像してみてください。私はこのビジョンを共有するために、芸術家のVikMunizと協力して、バクテリアと癌細胞だけで作られた宇宙のシンボルを作りました。この微細な宇宙が癌研究に新しいアプローチをインスパイアすることを願っています。

▼今回の動画