2023.08.28

TED要約:一度に一つの種子、食品の未来を守る

marugotoyoten

アメリカの農学者であるモーガン・カーリントン・フォーラー・ジュニアが「一度に一つの種子、食品の未来を守る」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

モーガン・カーリントン・フォーラー・ジュニア

専門分野:農業
経歴:アメリカの農学者で、CropTrustの元理事であり、現在は同トラストのシニアアドバイザーを務めています。2022年5月5日、フォーラー博士はアメリカ国務省において、グローバルフードセキュリティのための特使として任命されました。

３つの要点

要点１
作物多様性は農業の基盤であり、それが失われることは大きな問題です。
要点２
作物多様性は急速に失われています。多くの品種が絶滅しており、その保存の重要性を伝える必要があります。
要点３
気候変動に適応できる作物が必要であり、作物多様性の保存が求められます。

要約

農業における作物多様性の重要性
ジャック・ハーランの記事を読んでから、私は作物多様性に興味を持ちました。彼は作物多様性を、私たちと飢餓との間にある遺伝資源として説明しました。作物多様性は農業の基盤であり、それが失われることは大きな問題です。多くの人々は農業の多様性について考えることはありませんが、それは重要なことです。

作物多様性の喪失
作物多様性は急速に失われています。豆の品種だけでも何千もの異なる品種がありますが、その多様性は減少しています。同じことが小麦や米の品種でも起こっています。例えば、アメリカにはかつて7,100種類のリンゴの品種がありましたが、現在はそのうち6,800種類が絶滅しています。私は聴衆に絶滅したリンゴの品種のリストを見せて、多様性の保存の重要性を伝えました。品種は将来に価値のある特性を持っている可能性がありますので、大切にすべきです。

気候変動の農業への影響
気候変動は農業にとって大きな問題です。将来、最も寒い栽培期間がこれまで経験したことのないほど暑くなるでしょう。これは、南アジアやアフリカの一部の国々に深刻な影響を与えます。2030年までに、南部アフリカのトウモロコシの生産は気候変動の影響で30％減少する見込みです。これに対処するためには、気候変動に適応できる作物が必要です。

スバールバル・グローバル・シード・ヴォールトと行動の必要性
作物多様性を保存するために、私たちはスバールバル・グローバル・シード・ヴォールトを設立しました。この施設は世界中の種子サンプルを安全かつアクセス可能な場所に保管しています。しかし、もっと行動が必要です。残りの多様性を収集し保存し、アクセスしやすいカタログを作成し、財政的な支援を提供する必要があります。作物多様性を寄贈することで、将来の世代のために保存を確保することができます。作物多様性の保存は私たち自身を救い、持続可能な未来を確保することにつながります。

▼今回の動画