2023.08.28

TED要約:キラー感染症のためのカリー・マリスの次世代治療法

marugotoyoten

アメリカの生化学者であるカリー・バンクス・マリスが「キラー感染症のためのカリー・マリスの次世代治療法」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

カリー・バンクス・マリス

専門分野:分子生物学
経歴:PCR法の発明における役割を認められ、1993年にマイケル・スミスと共にノーベル化学賞を受賞。PCRは生化学や分子生物学において中心的な技術となり、ニューヨーク・タイムズは「PCR以前とPCR以後の2つの時代に生物学を分ける」と評した。また、マリスは気候変動における人間の役割を軽視し、HIVがエイズの唯一の原因であるかに疑問を呈した。また、幽霊を含む超常現象についての信念も持っていた。ノーベル賞とは全く関係のないトピックについて主張するマリスの活動は、「ノーベル病」として知られる傾向の例とされている。

３つの要点

要点１
免疫応答の活用は、病原性細菌を迅速に排除するために重要である。
要点２
抗生物質の効果が低下しているため、新たな解決策が必要である。
要点３
DNAアプタマーを使用した研究は、細菌感染症と効果的に戦う有望なブレークスルーである。

要約

免疫応答の活用
私たちの体は、一般的な豚の心臓弁に存在するα-galエピトープという分子を好んでいます。この分子を利用して、病原性細菌に結合させることで、既存の免疫応答を利用して脅威を迅速に排除することができるかもしれません。

新たな解決策の必要性
抗生物質の効果が低下しているため、細菌感染症に対する問題が増えています。従来の治療法に耐性を持つ細菌と戦うためには、新しい方法が必要です。代替の解決策を見つけることが重要です。

有望なブレークスルー
共同研究者と協力して、特定の領域にα-galエピトープを細菌に結合させることを目指しました。DNAアプタマーを使用することで、これらの細菌を認識し結合する分子を作り出すことができました。私たちのアプタマーは免疫系にブドウ球菌への攻撃を促し、細菌を効果的に排除する方法を提供します。

成果の成功
炭疽菌で毒されたマウスを対象にした研究では、炭疽菌を標的とし免疫系を誘導する薬を投与しました。マウスは生き延びるだけでなく、追加の14〜28日間生き延びました。生存率は100％でした。このブレークスルーは将来への希望を与え、体の免疫応答を利用することで細菌感染症と効果的に戦うことができることを示しています。

▼今回の動画