2023.06.29 2023.09.02

TED要約:脳が運動を求めている！あなたの思考力を高める秘策

marugotoyoten

神経科学者であるウェンディー・スズキが脳に良い変化をもたらす運動の効果について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

ウェンディー・スズキ

出身:非公開
専門分野:神経科学、心理学
経歴:カリフォルニア大学で学士号と博士号を取得し、ニューヨーク大学の神経科学センターで教授を務めた後、2022年から芸術・科学カレッジの学部長をつとめている。現在は運動が脳に及ぼす影響を研究し、一般向けに科学の普及活動を行なっている。

３つの要点

要点１
運動することは脳の健康をアップさせる。特に運動によって「前頭前皮質」と「海馬」の機能が充実する。
要点２
運動は心臓の動きを活性化し、脳への血流を良くする。これにより、酸素や栄養が豊富に脳に送られ、脳が活性化する。
要点３
運動によって、気分が良くなる、集中力が向上する、長期的な記憶力が高まる、反応速度が速くなるといった脳の機能改善が見込まれる。

要約

脳を活性化させるシンプルな方法
体を動かすことは、実は脳の健康をアップさせる特別な方法なのです。これは、私が行った科学実験から得られた事実です。特にこの事実には頭の中にある「前頭前皮質」と「海馬」という部分が関係してきます。これらは、日々の判断や集中力、注意力、記憶などをつかさどっています。

運動がどうして脳に良いのか？
それでは、なぜ運動が脳にとって良いのでしょう？運動をすると、心臓が活発に動き、脳への血流が良くなります。そうすると、脳へ送られる酸素や栄養が増え、脳の活動をサポートする物質が十分届くようになります。さらに、運動することで、脳内の「成長因子」という物質も放出されます。これは、脳細胞を健康に保つ役割を果たし、血管や新しい脳細胞の成長を助けます。そして、前頭前皮質と海馬も運動の利点を受け取ります。運動による血流の増加は、これらの部分へも酸素と栄養素を届け、適切な機能を維持する手助けをしています。

運動がもたらすメリット
運動することで具体的に得られるメリットを以下の通りにまとめてみましょう。

１．気分がすぐに良くなる：運動すると、脳内で「幸せホルモン」とも呼ばれるドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質が増え、気分が良くなります。

２．集中力が上がる：血流の増加と酸素供給の向上が脳を活性化させます。運動後少なくとも2時間程度は集中力が上がります。

３．長期の記憶力が良くなる：運動は新しい脳細胞の生成を促進し、特に記憶に関与する部分である海馬の機能を向上させます。これが長期的な記憶力の向上につながります。

４．反応速度が早くなる：運動は神経伝達速度を向上させ、思考して行動するまでの間の時間を短縮します。つまり、物事に対する反応が速くなるのです。

小さな運動を積み重ねよう：康的な未来のために
最後に、定期的に運動すると、脳の健康や機能がより良くなることを覚えておいてください。それは、記憶力の低下や神経系の病気から脳を守る方法で、脳を強く、健康にします。長時間の運動は必要なく、週に４回、３０分の散歩だけでも十分です。小さな運動の積み重ねは、もっと良い未来、もっと健康な生活に向けた投資なのです。

▼今回の動画