2023.08.23 2023.09.02

TED要約:非致死性兵器の道徳的危険性

marugotoyoten

アメリカの映画音楽のオーケストレーター兼指揮者であるスティーブン・コールマンが「非致死性兵器の道徳的危険性」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

スティーブン・コールマン

専門分野:映画音楽
経歴:ニューヨークのマンハッタン音楽学校で音楽作曲の学士号を取得。『パーソン・オブ・インタレスト』のサウンドトラックでラミン・ジャヴァディと共同制作し、『ザ・プレデター』のスコアを指揮・オーケストレーションした。

３つの要点

要点１
現代の軍事展開は従来の戦争地域以外でも行われるようになっており、軍人は通常は母国の警察が対処するような状況に派遣されることがある。しかし、軍事は警察のように訓練されていないか装備されていないため、運用上の課題が生じることがある。
要点２
非致死性兵器を装備することは、軍隊に広まっており、非致死性兵器の使用によって、致命的な力を使わずに潜在的な脅威を無力化することができる可能性がある。特に、接近する個人の意図を特定することが困難な場合には非常に重要である。
要点３
非致死性兵器の導入は軍の武力行使のアプローチとは異なるため、非致死性兵器の使用には複雑な問題が伴う。また、非致死性兵器の誤った使用は悲劇的な結果をもたらす可能性があり、訓練と非致死性兵器の意味を理解することの重要性が強調される。

要約

現代の軍事展開の理解
現代の軍事展開は進化しており、従来の戦争地域以外でも行われるようになっています。イラク、アフガニスタン、東ティモール、ソロモン諸島などでの作戦は、軍事と警察の役割の境界を曖昧にしました。軍人は、通常は母国の警察が対処するような状況に頻繁に派遣されます。しかし、軍事は警察のように訓練されていないか装備されていないため、運用上の課題が生じることがあります。

非致死性兵器の魅力
非致死性兵器を装備することは、軍隊に広まっています。チェックポイントなどの場所では、このような兵器の使用によって、致命的な力を使わずに潜在的な脅威を無力化することができる可能性があります。特に、接近する個人の意図を特定することが困難な場合には非常に重要です。また、戦争で自律型ロボットの使用が増えるにつれて、非致死性兵器を装備することで、偶発的な被害のリスクを軽減することができるかもしれません。

非致死性兵器の使用における問題
オーストラリアなどの地域の警察に非致死性兵器が導入されると、予想以上に頻繁に使用されることがありました。例えば、クイーンズランド州では、OC（ペッパースプレー）が「叫び声と射撃の中間解決策」として明示的に導入されました。しかし、その使用は急増し、非致死性兵器は必要のない状況でも定期的に使用されていることを示しています。軍の武力行使のアプローチは警察とは大きく異なるため、非致死性兵器の導入はより複雑なものとなります。

非致死性兵器の潜在的なリスクと誤用
非致死性兵器の誤った使用は悲劇的な結果をもたらすことがあります。モスクワのドゥブロフカ劇場占拠事件では、人質が「非致死性」ガスによって命を落としたという事例が示されています。さらに、子供や高齢者に対するテーザーなどの兵器の誤った使用は、訓練と非致死性兵器の意味を理解することの重要性を強調しています。警察よりも制約が少ない軍隊の場合、このような兵器の誤用の可能性は深刻な懸念です。

▼今回の動画