2023.08.28

TED要約:インターネットを介して合成DNAを作成して送信する方法

marugotoyoten

カナダの写真家、映像技師、音声録音技師であるダンギブソンが「インターネットを介して合成DNAを作成して送信する方法」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

ダンギブソン

専門分野:自然
経歴:自然映像と音声録音のパイオニア。アルゴンキン公園への貢献も評価される。

３つの要点

要点１
合成細胞の構築と生命の印刷技術により、インフルエンザワクチンの生産が劇的に高速化され、数千人の命を救うことができる。
要点２
DNAの読み書き技術により、DNAコードから合成細胞を作り出すことが可能となる。
要点３
バイオテレポーテーションとDNAプリントの組み合わせにより、医薬品の製造が革命化され、個別の薬を印刷することが可能となる。

要約

合成細胞の構築と生命の印刷
2013年、科学者たちはH7N9鳥インフルエンザによる世界的なパンデミックの可能性についてのメールを受け取りました。インフルエンザワクチンの製造プロセスが遅くて時代遅れだったため、ワクチンの開発には少なくとも6ヶ月かかるとされていました。しかし、科学者のチームは生物学的なプリンターを発明しました。このバイオテレポーテーションと呼ばれる技術により、インフルエンザワクチンの指示を瞬時にダウンロードして印刷することができるようになりました。この技術の革新により、ワクチンの生産を劇的に高速化し、数千人の命を救うことができるようになりました。

DNAの読み書き技術のマスタリング
生物学者兼エンジニアである講演者は、DNAの読み書き技術をマスターしたことを説明しています。DNAの編集とプログラミングにより、自己複製する生きた細胞を作り出し、ワクチンや治療薬などの新しい製品を開発することができます。バイオテレポーテーションのビジョンでは、すべての生物学的機能や特性がDNAのコードに書き込まれることから、講演者と同僚はコンピュータ上のDNAコードから合成細胞を作り出すことに着想を得ました。

DNAコードから合成細菌細胞へ
講演者のチームは、短いDNAの断片を完全な細菌ゲノムに繋ぎ合わせる技術を開発してきました。彼らはコンピュータのDNAコードを自己複製細胞であるSynthiaという合成細菌細胞に変換することに成功しました。この画期的な成果は、合成DNAの可能性を示し、バイオエコノミーの進歩の道を開きました。

バイオテレポーテーションの力とDNAプリントの未来
講演者は、バイオテレポーテーションの力とDNAプリントの可能性について強調しています。彼らは、デジタルDNAコードをDNA、RNA、タンパク質、ウイルスなどの生物学的な実体に変換するDBC（デジタルからバイオロジカルへの変換装置）を紹介しています。DBCは医薬品の製造を革命化し、病院で患者のために個別の薬を印刷することを可能にします。また、疫病の迅速な対応や他の惑星に配置して新しい薬や合成生物を作り出すこともできます。講演者は、医薬品のデジタルな指示が世界中に送られ、命を救い、人間の居住環境を改善する未来を描いています。

▼今回の動画