2023.08.28 2023.09.03

TED要約:麻痺したネズミが歩いた

marugotoyoten

フランスの神経科学者であるグレゴワール・クルティンが「麻痺したネズミが歩いた」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

グレゴワール・クルティン

専門分野:神経技術
経歴:脊髄損傷などの中枢神経系障害を持つ患者の運動機能を回復することを目指した研究を行っている。

３つの要点

要点１
脊髄損傷研究では、新しい脊髄損傷モデルが開発され、麻痺したラットに驚くべき結果が得られた
要点２
脊髄損傷のリハビリテーションにおいて、電気化学的な神経プロステーシスが有効であることが示された
要点３
自発的な制御の回復に向け、ロボットシステムを用いたトレーニングが成功した

要約

脊髄損傷研究の個人的な旅
私は物理学と医学のバックグラウンドを持つ神経科学者です。私の研究の焦点は脊髄損傷で、数千人に影響を与えています。私はクリストファー・ダナ・リーブ財団との共同で研究を始めました。私たちは新しい脊髄損傷モデルを開発し、麻痺したラットに驚くべき結果を得ました。彼らは立ち上がり、足を動かすことができるようになりました。

リハビリテーションのパラダイムシフト
従来の脊髄損傷のリハビリテーションでは、切断された繊維の成長を促進する介入が行われていました。しかし、私はより簡単な解決策があると考えました。私たちは脊髄に必要なネットワークが含まれていることを発見し、電気化学的な神経プロステーシスを開発しました。これにより、麻痺したラットが調整された運動を示すことができましたが、自発的な制御はまだ欠けていました。

自発的な制御への新しいアプローチ
私たちは自発的な制御の必要性に気付き、ラットをサポートするためのロボットシステムを開発しました。このシステムは麻痺した足を使ってラットが安全に関与できる環境を提供しました。私たちはこのトレーニングにより、完全な脊髄損傷後の初めての自発的な足の動きの回復を達成しました。脳は新しいつながりを作り出し、損傷下の運動ネットワークに対する大脳の制御を回復させました。

個別化された神経プロステーシスへの展望
私たちの研究は個別化された神経プロステーシスの可能性を開いています。脊髄損傷を持つ人々が個別化された治療を受ける未来を想像してください。トレーニングによりつながりを再構築し、外部の支援なしでの運動が可能になります。この概念は他の神経学的疾患にも希望をもたらし、脳が自己を助ける手助けをすることができます。革命は必ずやってくるのです。

▼今回の動画