2023.12.20

膵臓がんにおける原発性がんオルガノイドの概要

marugotoyoten

インペリアル・カレッジ・ロンドンのYoutube動画「膵臓がんにおける原発性がんオルガノイドの概要」について要点と要約をまとめました

３つの要点

要点１
オルガノイドは膵臓がんの研究に有望な手法です。
要点２
オルガノイドをマウスに移植することで、腫瘍の成長と挙動を観察できます。
要点３
オルガノイドの薬剤スクリーニングにより、個別化治療の可能性が示唆されます。

要約

原発性がんオルガノイドの概要
このスピーチでは、膵臓がんにおける原発性がんオルガノイドに関する私たちの研究の概要を発表しました。膵臓がんは生存率が低く、治療の改善が限られています。この病気をよりよく理解するために、腫瘍を研究するためのモデルシステムが必要です。オルガノイドは、三次元細胞培養システムであり、膵臓がんや他の腫瘍の研究に有望な手法を提供します。

オルガノイドバイオバンクとin vivoモデルの開発
私たちは、膵臓がん患者からオルガノイドバイオバンクを作成しました。これは患者集団で見られる変異スペクトルを模倣しています。これらのオルガノイドを用いて、多段階の腫瘍発生を研究するためのin vivoモデルも開発しました。オルガノイドをマウスに移植することで、腫瘍細胞の成長と挙動を観察することができます。このモデルは、患者の腫瘍の重要な組織学的特徴を保持しており、腫瘍の自己組織化の理解に有望です。

個別化治療法と薬剤スクリーニング
私たちの大規模な患者由来のオルガノイドコレクションを用いて、個々の患者に最適な治療法を特定することを目指しています。オルガノイドの異なる化学療法への反応を研究することで、薬剤の有効性に関連するばらつきが観察されました。これは、オルガノイドの薬剤スクリーニングに基づく個別化治療の可能性を示唆しています。さらに、私たちは大規模な化合物スクリーンを実施し、膵臓がんオルガノイドを殺す高い効果を示す新しい薬剤クラスを特定しました。これにより、新しい治療法の開発に希望が持てます。

オルガノイドシステムの重要性と将来の展望
オルガノイドシステムは、特に膵臓がんにおいて、病気の研究と新薬の開発において強力なツールです。それは病気の遺伝的変異性を捉え、in vivoでの移植と腫瘍の成長を可能にし、薬剤スクリーニングのためのユニークなプラットフォームを提供します。正常組織内非外科的モデルのさらなる開発により、転移形成の理解が向上します。全体として、オルガノイドシステムは、膵臓がんの知識と治療法の選択肢を進めるための大きな可能性を秘めています。

▼今回の動画

https://www.youtube.com/watch?v=P1N39Epvd-A