2023.08.23 2023.09.02

TED要約:新型コロナウイルスパンデミックが世界を変える方法

marugotoyoten

インド系アメリカ人のジャーナリスト、政治評論家、作家であるフリード・ラフィク・ザカリアが「新型コロナウイルスパンデミックが世界を変える方法」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

フリード・ラフィク・ザカリア

専門分野:国際政治、経済
経歴:CNNの『フリード・ザカリアGPS』のホスト。ワシントン・ポストに週刊有料コラムを執筆。ニューズウィークのコラムニスト、ニューズウィーク・インターナショナルの編集長、タイムの編集者も務めた。

３つの要点

要点１
COVID-19パンデミックは、最近の経験したどの災害とも異なります。
要点２
国家主義の台頭が起こり、国々が国際協力よりも自国民を優先するようになっています。
要点３
危機が短期的な経済的ショックをもたらし、その後の迅速な回復をもたらすという期待がありますが、経済の再開は容易ではありません。

要約

パンデミックの前例のない性質
COVID-19パンデミックは、最近の経験したどの災害とも異なります。これは最初は健康危機として始まりましたが、迅速に経済危機に発展しました。過去の不況や大恐慌とは異なり、この状況はまさに「大規模な麻痺」といえるものであり、主要な経済が停滞し、事実上世界規模で経済交換が凍結されています。さらに、この危機は、資源の限られたインドなどの発展途上国における既存の課題を拡大させており、過密都市や脆弱な医療システムに苦しんでいます。

地政学的な影響とヨーロッパの対応
パンデミックの結果として、国家主義の台頭が起こり、国々が国際協力よりも自国民を優先するようになっています。このシフトの強力な例は、特にシェンゲン圏で観察されており、数十年ぶりに国境が再設定されています。さらに、最も被害を受けた国の一つであるイタリアが支援を求めた際に、一つのヨーロッパの国も助けには現れず、大陸の連帯心の低下が強調されました。

経済的な影響と回復への期待
危機が短期的な経済的ショックをもたらし、その後の迅速な回復をもたらすという期待がありますが、経済の再開は容易ではありません。旅行、飲食、エンターテイメントなどの産業は、長期的な影響を受ける可能性があります。しかし、アメリカ政府は多くの批判にもかかわらず、経済面で断固たる行動を起こしているようです。真の試練は、特に密な人間の接触に依存する部門を再開することにあります。スペイン風邪などの歴史的な前例からは、社会は変化を伴いながらも回復することができると示唆されています。

グローバルな力のバランスとアメリカの役割
パンデミックは、グローバルな力のバランスの変化を鮮明に示しました。世界中の国々は、アメリカのリーダーシップが集団的な危機への対応を組織することで欠如していることに驚いています。この空白は、国々が自国の利益にだけ焦点を当て、協力的な取り組みを脇に置く傾向を助長しています。歴史的には、アメリカはグローバルな課題に対処するための中心的な役割を果たしてきましたが、今回の撤退は国際協力の将来に疑問を投げかけています。時間の経過とともに、国々が共通の脅威に対して団結する重要性に気付くことを願っています。

▼今回の動画