2023.08.30 2023.09.03

TED要約:ゼロ排出の世界への競争は今始まる

marugotoyoten

ポルトガルの政治家・外交官であるアントニオマヌエルデオリベイラグテレスが「ゼロ排出の世界への競争は今始まる」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

アントニオマヌエルデオリベイラグテレス

専門分野:国際連合事務総長
経歴:ポルトガルの首相を務めた経験を持ち、国連事務総長として活躍中

３つの要点

要点１
気候変動の影響は、既に何十億人もの人々に苦しみをもたらしている。
要点２
COVID-19パンデミックは、気候危機に向けた新たな道筋を描く機会でもある。
要点３
企業、都市、州、地域、大学、投資家の多くが、2050年までにネットゼロ排出を達成することを約束している。

要約

気候危機の緊急性
気候変動の影響は、既に何十億人もの人々に苦しみをもたらしています。地球温暖化は推奨される1.5度の上限を大幅に超え、野火やサイクロン、洪水、干ばつなどの極端な気象現象を引き起こしています。最も貧しい人々や最も弱い立場の人々が最も大きな影響を受けていますが、彼らは問題に最も少ない貢献をしています。この不正義と不平等は、人類の生存に重大な脅威をもたらします。

変革の機会を掴む
COVID-19パンデミックは、社会の不正義と不平等を明らかにしましたが、同時に気候危機に向けた新たな道筋を描く機会でもあります。歴史は、このような瞬間を掴むことで、より安全で公正で強靭な世界を作り出すことができることを示しています。政府は、以下の6つの気候ポジティブな行動を取る必要があります。グリーンジョブへの投資、汚染産業の救済を避けること、化石燃料への補助金を打ち切ること、炭素価格を設定すること、すべての金融および政策決定において気候リスクを考慮すること、そして誰も取り残さない連帯の中で協力することです。

変革の勢いを築く
企業、都市、州、地域、大学、投資家の多くが、2050年までにネットゼロ排出を達成することを約束しています。勢いは高まっており、都市や地域がアメリカの二酸化炭素排出量を上回り、数兆ドルの収益を上げる企業がゼロへの競争に参加しています。しかし、政府が民間セクターによる気候行動をさらに刺激するための税制と規制の枠組みを作ることが重要です。欧州連合と中国は、排出削減と炭素中立化を目指す野心的な計画を発表しました。他の主要排出国もCOP26前に具体的な計画と政策を提示することが不可欠です。

公平性と強靭性の確保
気候変動への対策は、最も被害を受けている脆弱な国々の強靭性の構築を優先する必要があります。沿岸のデルタ地帯、太平洋やカリブ海の島々、アフリカサヘル地域などは、COVID-19からの回復と同時に気候の影響に適応するための支援が必要です。先進国は、開発途上国の緩和、適応、強靭性に年間1000億ドルを動員するという約束を果たさなければなりません。金融機関と民間投資家からの資金の大規模な動員が必要です。2021年のパリ協定記念日とグラスゴー気候会議は、気候の野心を高め、政府により良い成果を出す機会を提供します。私たちはゼロ排出への競争に勝つために協力して取り組む必要があります。

▼今回の動画