2023.09.21

TEDx要約:いつかあなたを癒すかもしれない脳の細胞

marugotoyoten

スイスの神経科学者であり、ローザンヌ大学病院とEPFL（ローザンヌ連邦工科大学）の神経外科医であるジョセリン・ブロッホが「いつかあなたを癒すかもしれない脳の細胞」について語りました。この動画の要点と要約をまとめました

スピーカー

ジョセリン・ブロッホ

専門分野:神経科学
経歴:スイスの神経科学者であり、ローザンヌ大学病院とEPFLの神経外科医

３つの要点

要点１
失われた機能を回復させる神経外科医の夢。
要点２
脳細胞培養の旅。
要点３
脳修復のための細胞再移植。

要約

タイトル1:失われた機能を回復させる神経外科医の夢
私は神経外科医として、重度の障害を持つ人々に失われた機能を取り戻すことが最終目標です。14年前、南米の牛の血清と私の生物学者の共同研究者、ジャン＝フランソワ・ブリュネの助けを借りて、重要な発見をしました。私たちは、幹細胞に似た一種の細胞培養物を見つけ、患者の回復に役立つ可能性があることを発見しました。これらの細胞は、ダブルコルチン陽性細胞と呼ばれ、皮質に豊富に存在し、将来の治療に有望です。

タイトル2:脳細胞培養の旅
神経外科のチーフレジデントとしての私の経験から、緊急時には脳の一部を摘出することがよくありました。これが何か意味のあるものに利用できるのではないかと思いました。ジャン＝フランソワと共同で、南米の牛の血清が脳細胞の培養に役立つことを発見しました。これらの細胞は、幹細胞に似ており、以前は皮質に存在しないと考えられていました。また、皮質形成に役立つダブルコルチン陽性細胞を培養することができることもわかりました。

タイトル3:脳修復のための細胞再移植
中枢神経系の自己修復能力の限界を認識し、細胞再移植による患者の回復支援のアイデアを探求しました。サルを用いた実験により、細胞培養のラベリングと再移植を成功させました。細胞の挙動は場所によって異なることを観察しました。病変に近い場所に移植すると、細胞は成熟した神経細胞に成長し、その領域を再び占拠しました。この有望な結果から、このアプローチが患者が失った機能を回復させるのに役立つ可能性があると考えました。

タイトル4:サルから人間へ：前進する道
サルでの細胞再移植の良好な効果を目の当たりにした後、次の目標はこの技術を人間に応用することです。しかし、人間の試験に必要な承認を得ることは困難なプロセスです。しかし、私は引退する前にこの治療法を患者に提供できると希望を持ち続けています。脳損傷を持つ個人の失われた機能を回復させ、彼らの生活を改善する可能性は、私の仕事の原動力です。

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